近年、量子コンピュータの実用化に向けて、GoogleやIBM等の企業や国内外の研究機関による開発が急速に進んでいる。現在の量子コンピュータはNISQと呼ばれノイズの影響を受けるため、汎用型計算機として機能しない。それゆえ、目的に応じて、ハードウェアから基盤ソフトウェアまで異なる階層での研究開発が必要となる。一方で、NISQの実用化が今後の成功の鍵を握っているとも言える。つまり、理想的な環境でのアルゴリズム開発とは異なる、多階層での実践的な知識を持った人材が切望されている。
本講座では、量子コンピュータを使うことに重点を置いた授業を行う。特に、IBMの量子コンピュータとソフトウェア環境Qiskitを使って、
1) 量子アルゴリズムの基礎と実習
2) 量子プログラミングと、IBM Quantum環境での実習
3) 量子機械学習など、応用的な量子アルゴリズムの実習
4) 超伝導量子コンピュータ等の代表的な量子系の基礎と動作原理
を学ぶ。
また、希望者を対象に、人数を限定する選抜形式で
5) 超伝導量子コンピュータ、光量子、NMR等の量子系を用いたハードウェア実習
を行い、どのように量子計算が実機で行われるのか直接体験する。